このブログを検索

2015/05/17

4時間乗って500円! ソウルの都市鉄道網

韓国の鉄道...

ページビューは少ないようですが、構わず書きます。

まず、このページを見てください。

ソウルの都市鉄道網路線図

駅名をクリックすると、1回めが出発地・2回目が到着地として、経路・所要時間と運賃が表示されます。

この地図に表示されるエリアはソウル広域電鉄(「首都圏電鉄」とも)エリアで、東京で言えばJR・私鉄・地下鉄が全部通算運賃で乗れる、という感じ(空港鉄道A’REXやDXラインなど一部運賃が異なるところはありますが)。議政府軽電鉄等、一部ライトレール区間も含まれます。
運営主体は、KoRail(韓国国鉄、正式には韓国鉄道公社)や各市の鉄道公社などさまざま入り乱れていますが、基本的に一度乗ってしまえば上記エリア内はノーラッチで乗換えができて、運賃は通算。駅の構造上ノーラッチで乗り換えできない場合は通算にはなりません(A’REXソウル駅から地下鉄1・4号線に乗り換える場合など)が・・・。

便利なことこの上ないのですが、さらに驚くのは運賃の安さ。

先ほどの路線図で、右上の水色Cライン(京春線)終点の「春川」(少し古いけど「冬のソナタ」の舞台だったそうです)をクリック、今度は右下の紺色1号線終点の「新昌」をクリックしてみてください。
所要時間4時間以上、駅数70駅と、大旅行ができるわけですが、運賃は4550ウォン(交通カードの場合)。今のレートで500円くらいでしょうか。
東京近郊区間の一筆ルートでもっと安く大旅行はできますが、そういう裏技ではなくて普通の経路を利用しても、こんな運賃なんです。超安い!

仁川空港に着いてA’REXから乗り始めると少し高い(金浦空港などで他路線へのノーラッチ乗り換えは可能)ですが、それはA’REXの運賃が高め設定だからです。それ以外のほとんどの路線間であれば、本当に安いです。
韓国の物価は日本とあまり変わらない感覚ですが、交通運賃(タクシーも)と、観光客向けではない普通の飲食店等の価格は、安いと思います。

さて、路線図の話に戻ると、路線がすごく稠密だと思いませんか?
路線の新設や、既設路線を改築したり相互乗入れ化して新ルートを開業するなど、広域電鉄は次々と便利になってきています。
最近では、ソウル市内でも華やかで若々しい街といわれる江南(カンナム)地区で、地下鉄の延伸開業がありました。3月に、9号線の末端区間が延長されています。
安い運賃なのにこんなに鉄道投資ができるのはどうして?と思うほど。
ソウル北郊を走る休止路線(軍用輸送のみ行なっている)を広域電鉄化する計画など、まだまだ都市輸送を担う鉄道への投資計画は続くようです。

車輌趣味的に見ると、広域電鉄の車輌はわりと画一化されていて、面白さは少ないです。
しかし、都市間輸送を担う幹線では、アメリカ型の電気式大型ディーゼル機関車が、AMTRAKっぽい客車を惹いて轟然と走っているなど、バリエーションは結構あります。
少し遡ると、日本製車両を輸入していた時期もあったので、前に触れた103系に似た電車だけでなく、キハ52あたりに似た気動車、181系に似た電車(気動車だったかな・・・)なども活躍していました。それらは、「義王」駅近くの鉄道博物館に保存されているので、訪れると、日本の鉄道ファンでも懐かしい感じがすると思います。

韓国へ行くと、本屋で鉄道趣味誌がないか探してみたりしますが、見つけたことはありません。
メジャーな趣味じゃないんでしょうね。
70年代初頭、鉄道ピクトリアルや鉄道ジャーナルが相次いで韓国の鉄道を紹介し始めた頃は、まだ気軽に鉄道の写真を撮ることができない時代でした。鉄道は、重要な軍事資産だったからです。
おそらく、オールドファンと呼べるような方はほとんどいないんでしょうね。



にほんブログ村 鉄道ブログへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

お気軽にコメントどうぞ ^^